看護教育のための情報サイト NurSHARE つながる・はじまる・ひろがる

第28回:虎に噛まれ連れ去られても気を確かにもつこと~身体拘束縮小【episode 1】

第28回:虎に噛まれ連れ去られても気を確かにもつこと~身体拘束縮小【episode 1】

2024.07.31酒井 郁子(千葉大学大学院看護学研究院附属専門職連携教育研究センター センター長・教授)

本連載 書籍版のご案内

この連載を再構成した電子書籍『カピバラ教授のアディショナルタイム ~正解は知らない。でも、ピッチに立つ。』が、2026年9月28日に刊行となりました。医書.jpで好評発売中です。ぜひご覧ください!

 身の危険を感じる暑さが続き、大学から病院まで歩く間に幾度か気が遠くなるような感じがします。皆さん、お元気でいらっしゃいますか。先日、韓国語のお勉強をしている時に、韓国の諺「虎に噛まれ連れ去られても気を確かに」というのを知りました。危機一髪、あわやの時も精神さえしっかりもっていれば、生きるチャンスも見つけられる、という意味だそうです。虎に噛まれても、というメタファーがあまりに印象深かったので皆さんと共有しようと思います、ってこれで終わっては過去最短のアディショナルタイムになってしまいます。
 なぜこの諺に心が動いたのか、それはカピバラが最近、身体拘束縮小のことを考え続けているからです。というわけで、今回は身体拘束の話に取り組んでみようと思います。
 ついさっき最短と言っておきながら、一回では終わらない予感…(冒頭から episode 1 とか言っちゃってるし)。

身体拘束いまむかし

 超高齢社会の進展に伴い、入院患者の平均年齢が上がったこと、相対的に認知症のある方への治療の機会が増えたこと、これらとともに、治療が高度化しかつ医療費の抑制が意識されるようになり、短期間に集中的に治療が行われるようになったこと、これに伴い医療者の仕事の密度が格段に上がったことなどが、日本の病院における身体拘束の背景としてあると思います。1990年代までの医療は各駅停車の電車に乗っているようなもので、入院してから手術や治療の開始までに1週間以上の余裕があったのに、今では新幹線どころか、国内線飛行機に乗っているみたいですからね。

会員登録(無料)いただくと、この記事の全文を読むことができます。

酒井 郁子

千葉大学大学院看護学研究院附属専門職連携教育研究センター センター長・教授

さかい・いくこ/千葉大学看護学部卒業後、千葉県千葉リハビリテーションセンター看護師、千葉県立衛生短期大学助手を経て、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(保健学博士)。川崎市立看護短期大学助教授から、2000年に千葉大学大学院看護学研究科助教授、2007年同独立専攻看護システム管理学教授、2015年専門職連携教育研究センター センター長、2021年より高度実践看護学・特定看護学プログラムの担当となる。日本看護系学会協議会理事、看保連理事、日本保健医療福祉連携教育学会副理事長などを兼務。著書は『看護学テキストNiCEリハビリテーション看護』[編集]など多数。趣味は、読書、韓流、ジェフ千葉の応援、料理。

フリーイラスト

登録可能数の上限を超えたため、お気に入りを登録できません。
他のコンテンツのお気に入りを解除した後、再度お試しください。