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第2回:正しさはどこにかくれているか

第2回:正しさはどこにかくれているか

2023.02.22川瀬 貴之(千葉大学大学院社会科学研究院 教授)

この連載は2026年7月24日にPHP研究所より『やさしくておそろしい 法哲学講義 生命の価値はみな等しいのか』として刊行されました。ぜひご覧ください。

 前稿で見たように、私たちは生きていくうえで、さまざまな悲劇的ジレンマから、決して逃れることはできない。そしてこの世界は、ジレンマの淵に立たされた私たちに、迫りくる時間的制約の中で、決断を下すように強いている。こんな時、私たちは、自分の決断に、せめて幾ばくかの正しさが含まれていることを、願わずにはいられない。

 しかし、正しさというものは、神秘的なまでにかくれんぼの達人であり、掴まえたと思えば霧のように消えてしまい、哲学者は二千年以上もその幻を追い続けている。ただ、そのかくれ家に接近する方法について、哲学者はいくつかの見当をつけているので、その一つについて考えてみたい。すなわち、正しさの在り処を、主観・間主観・客観という区分で見る方法である。

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川瀬 貴之

千葉大学大学院社会科学研究院 教授

かわせ・たかゆき/1982年生まれ。専門は、法哲学。京都大学法学部卒業、同大学院法学研究科法政理論専攻博士後期課程修了。博士(法学)。千葉大学医学部附属病院講師などを経て、2022年10月より現職。好きなことは、旅行、娘と遊ぶこと、講義。耽美的な文学・マンガ・音楽・絵画が大好きです。好きな言葉は、自己鍛錬、挑戦。縁の下の力持ちになることが理想。

企画連載

人間の深淵を覗く~看護をめぐる法哲学~

正しさとは何か。生きるとはどういうことなのか。法哲学者である著者が、「生と死」や「生命倫理」といった看護にとって身近なテーマについて法哲学の視点から思索をめぐらし、人間の本質に迫ります。

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