この連載は2026年7月24日にPHP研究所より『やさしくておそろしい 法哲学講義 生命の価値はみな等しいのか』として刊行されました。ぜひご覧ください。

分配的正義の構想の中で、帰結論陣営のチャンピオンは功利主義であったが、義務論陣営代表には、前回解説したノージック的リバタリアニズムと並んで、平等主義がある。平等主義の主張のうち、「どのように分配するか」という問いへの答えは、シンプルに「等しく」となるので、多くの論争は「何を分配するか」という問いに費やされている1。「何の平等か」という問いに対して、「機会の平等」とか「結果の平等」とか、多種多様な主張がなされるが、そのような細かい理論は、次回以降にゆずり、今回は、そもそもなぜ平等が大切なのか、どのような文脈で平等が要求されるのかという、平等主義の精神について考えたい。




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