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第3回:気分と感情の発達

第3回:気分と感情の発達

2022.02.22安保 寛明(山形県立保健医療大学 教授)

 第2回では、ヒトは未成熟なままでこの世にうまれるため、身体をあまり動かせない時期に脳が著しく発達するという特徴があることを紹介しました。
 第3回では、身体を動かせない時期を経験することで却って発達するのかもしれない、気分や感情の多彩さについて紹介します。

 

恐怖から生まれる「不快」

 生理的早産を経験するヒトは、生まれた時から死の恐怖に基づく不快という感覚を獲得することになります。なにせ、ヒトの赤ちゃんは誕生直後は、歩けない、動けない、食べられない、目もあまり見えていない状況です。もし、大人が同じ状況(歩けない、動けない、目も見えない、食べられないなど)だったら、たぶん思いっきり助けを呼ぶと思います。「生きていけない、ムリムリ―!!!」と。
 ……このような死の恐怖や自分では何もできないという無力感が「不快」という情動を発生させているわけです。

 しかし一方で、この不快という情動が、人間という生き物の豊かさにつながります。たとえば、

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安保 寛明

山形県立保健医療大学 教授

あんぼ・ひろあき/東京大学医学部健康科学・看護学科卒業、同医学系研究科博士課程修了(保健学博士)。岩手県立大学助手、東北福祉大学講師、岩手晴和病院(現・未来の風せいわ病院)社会復帰支援室長、これからの暮らし支援部副部長を経て2015年より現所属、2019年より現職。日本精神保健看護学会理事長、日本精神障害者リハビリテーション学会理事。著書は『コンコーダンス―患者の気持ちに寄り添うためのスキル21』(2010、医学書院)[共著]、『看護診断のためのよくわかる中範囲理論 第3版』(2021、学研メディカル秀潤社)[分担執筆]など。趣味は家族団らん。

企画連載

人間の知的発達と精神保健

長年にわたり精神保健に携わってきた筆者が、人の精神の発達過程や、身体と脳の関係、脳と精神の関係、今日的な精神保健の課題である「依存症」や「自傷他害」、職場における心理学、「問題行動」や「迷惑行為」といった社会問題となる行為など、多様なテーマについてわかりやすくひも解いていきます。

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