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第22回:龍の背に乗って届けに行こう~未来への信頼と希望を

第22回:龍の背に乗って届けに行こう~未来への信頼と希望を

2024.01.25酒井 郁子(千葉大学大学院看護学研究院附属専門職連携教育研究センター センター長・教授)

本連載 書籍版のご案内

この連載を再構成した電子書籍『カピバラ教授のアディショナルタイム ~正解は知らない。でも、ピッチに立つ。』が、2026年9月28日に刊行となりました。医書.jpで好評発売中です。ぜひご覧ください!

 能登半島地震では多くの方が多重の喪失を経験しています。そして住民の皆さまの厳しい避難生活は続いています。そんな中の今年初めてのカピバラ連載。あけましておめでとうとはとても言えない心境ですが、2024年の干支である辰、すなわち龍の話を書こうかということを昨年末に編集の S さんと話していました(2023年のうさぎに引き続き)。龍のことをこんなに真剣に考えたり文献を読んだりしたのは初めてです。カピバラにとってチャレンジングなテーマですけど、予定どおり龍の話を書いてみたいと思います。

東洋の龍と西洋のドラゴン

 世界中にある龍(竜)の物語ですが、大きく東洋の龍と西洋のドラゴンに分けられるようです。
 東洋の龍は、いろんな動物のパーツからつくられた中国の龍と、蛇のコブラをモデルにしたインドのナーガとが、仏教を媒体として同一視され、雨を恵む水の神とされたといいます。日本には仏教が伝来した時に一緒にやって来たらしいです。これに対して西洋のドラゴンは、火山や洞窟を棲み処として、時に町に行っては住民に悪さをして、英雄や神々に退治される怪獣として扱われていました。つまり、東洋の龍は雨を恵み、稲などの食料を実らせる役割を引き受けてきましたけど、西洋のドラゴンは、ドラゴンそれ自体が雨を降らせるということではなく、英雄や神がドラゴンを倒すことによって、雨をもたらし、住民の安寧に貢献してきたのですね。
 読者の皆さまなら、すでにおわかりと思いますが、東洋では、龍は厄災ももたらすが雨を降らせて豊作ももたらすため、人間は龍を敬い、お願いして聞き入れてもらう「神」として位置づけるという向き合い方です。水が豊富で稲作を行うことの多い東洋では、雨や水といった自然を敬い、自然との共生を目指したのでしょう。これに対し西洋ではドラゴンを倒す、すなわち自然をコントロールする英雄や神が雨を降らせるという構図です。このような世界観の西洋では雨や水を分析し管理するため、天文学や物理などの科学を発展させていったのでした。雨や水といった自然に向き合う東洋と西洋の姿勢の違いが、龍とドラゴンを似ているけど違うものにしたのでしょう。

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酒井 郁子

千葉大学大学院看護学研究院附属専門職連携教育研究センター センター長・教授

さかい・いくこ/千葉大学看護学部卒業後、千葉県千葉リハビリテーションセンター看護師、千葉県立衛生短期大学助手を経て、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(保健学博士)。川崎市立看護短期大学助教授から、2000年に千葉大学大学院看護学研究科助教授、2007年同独立専攻看護システム管理学教授、2015年専門職連携教育研究センター センター長、2021年より高度実践看護学・特定看護学プログラムの担当となる。日本看護系学会協議会理事、看保連理事、日本保健医療福祉連携教育学会副理事長などを兼務。著書は『看護学テキストNiCEリハビリテーション看護』[編集]など多数。趣味は、読書、韓流、ジェフ千葉の応援、料理。

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