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第16回:技術による生命の異常な改善

第16回:技術による生命の異常な改善

2024.04.25川瀬 貴之(千葉大学大学院社会科学研究院 教授)

この連載は2026年7月24日にPHP研究所より『やさしくておそろしい 法哲学講義 生命の価値はみな等しいのか』として刊行されました。ぜひご覧ください。

 健康やQOLのような福利は、いかなる者にとっても常に望ましいもの、多くあればあるほど好ましいものと、しばしば前提にされているように思われる。医療や看護の実践も、この前提を常識としているのではないだろうか。しかし、常識と聞けば、格好の獲物だと喜んでやってきて、それをかき乱す(それゆえに多くの善良な常識人から嫌われる)のが、哲学者である。福利は、本当に無条件の善なのか。福利が、その享受の多さゆえに、倫理的に問題視されることがあるのではないだろうか。

 

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川瀬 貴之

千葉大学大学院社会科学研究院 教授

かわせ・たかゆき/1982年生まれ。専門は、法哲学。京都大学法学部卒業、同大学院法学研究科法政理論専攻博士後期課程修了。博士(法学)。千葉大学医学部附属病院講師などを経て、2022年10月より現職。好きなことは、旅行、娘と遊ぶこと、講義。耽美的な文学・マンガ・音楽・絵画が大好きです。好きな言葉は、自己鍛錬、挑戦。縁の下の力持ちになることが理想。

企画連載

人間の深淵を覗く~看護をめぐる法哲学~

正しさとは何か。生きるとはどういうことなのか。法哲学者である著者が、「生と死」や「生命倫理」といった看護にとって身近なテーマについて法哲学の視点から思索をめぐらし、人間の本質に迫ります。

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