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第3回 循環器疾患①:心筋梗塞

第3回 循環器疾患①:心筋梗塞

2022.01.14フラピエ かおり(株式会社Nurse Style Biz 代表)

はじめに:本連載をご活用いただくために

 この連載では、看護師国家試験問題のなかでも長文で出題され、学生にとって難度の高い「Aさん問題」を題材として、問題を解くにあたり何に着目させ、どう理解させ、そして正答へとたどりつかせるのかを、学生(看護専門学校2年生のさくらさん、看護大学3年生のあおいさん)との対話をとおしてご紹介します。日々の指導のヒントとしてお役立てくだされば幸いです。

フラピエ:さくらさん、あおいさん、今回もさっそく始めましょう!
さくらあおい:はいっ! よろしくお願いします !!

次の文を読み問1、問2、問3に答えよ。

Aさん、45歳の男性。出版社に勤務。5年前に職場の健康診断でコレステロール値が高いと指摘されていた。繁忙期で残業が続いており、夜遅くに帰宅した日の翌朝午前8時ころ、突然、前胸部に締め付けられるような痛みが起こり、治まらないため、1時間後救急車で来院した。受診時の呼吸数23/分、心拍数98/分、血圧198/112mmHg、心電図でST上昇があり、心エコー検査の結果、左室前壁心筋梗塞と診断され入院した。

 

問1 Aさんの冠状動脈の狭窄部位はどれか。
1.ア
2.イ
3.ウ
4.エ


問2 入院当日PCI(経皮的冠状動脈インターベンション)が行われ、ステントを留置し、狭窄率は0%に改善した。術後3日目に足踏み試験を行ったところ、脈拍数が120/分に上昇したため中止した。その後、病室へ行くとAさんは「胸の痛みがないので、トイレに行くところです」と言う。脈拍数は66/分であった。
   対応で適切なのはどれか。

1.「今日は導尿にしましょう。」
2.「ポータブルトイレを使いましょう。」
3.「病棟のトイレまで付き添います。」
4.「気を付けてトイレまで行ってください。」


問3 「今回は命拾いをした。日頃の生活のせいだと言われたが、どう変えていけばいいんでしょうね。食事は行き付けの食堂で丼物や肉料理が多いですよ」と言う。Aさんの仕事は不規則で、昼食と夕食はほとんど外食であった。
   退院へ向けての指導内容で適切なのはどれか。

1.脂質は摂取エネルギーの20~30%にする。
2.肉類より卵からの蛋白摂取を増やす。
3.塩分は1日12g以内にする。
4.飽和脂肪酸の割合を増やす。

                     [第94回(2005年)PM40~42 一部改変]

さくら:今回は循環器の問題ですね。3問もある… (@_@)
フラピエ:あらら、弱気にさせちゃったかしら。どの問題も重要な知識を学べますよ!
あおい:さくらさん、実は私もちょっと長いなって思っちゃったんだけど、一緒にがんばろ ( ;∀;)
さくら:そうだね (;_;) 先生、よろしくお願いします!
フラピエ:はい! では、Aさんの日常生活の様子もイメージしながら見ていきましょう。
 

この問題の評価領域分類(taxonomy)
【問1】Ⅱ型:与えられた情報を理解・解釈してその結果に基づいて解答する問題
【問2、問3】Ⅲ型:設問文の状況を理解・解釈した上で、各選択肢の持つ意味を解釈して具体的な問題解決を求める問題
この問題を指導する際のポイント
■冠状動脈の解剖をイメージする
■心筋梗塞の病態・特徴を整理する
■Aさんの病状の緊急性を理解する
■心臓リハビリテーションの目的や進め方を確認する
■Aさんの“日常”を念頭に、生活指導のポイントを考える

 

冠状動脈の解剖をイメージする

フラピエ:では、まず問1を解いていきましょう。心筋梗塞では、心臓に酸素や栄養を送る冠状動脈冠動脈)が狭くなったり詰まってしまうのでしたね。Aさんの場合、冠状動脈のどの部分が狭窄してしまったかを、図を用いて問うています。
あおい:ええっと、冠状動脈はたしか右冠状動脈左冠状動脈2本にまずは分岐するのでしたよね。
フラピエ:そうです! 重要なポイントですね。問題の図もそうですが、解剖図をぱっと見ると右1本と左2本の計3本に分かれるように思えるかもしれませんが、あおいさんが挙げてくれたとおり、上行大動脈からまずは左右2本の冠状動脈が分岐し、この2本がさらに細かく分岐して心臓全体に分布しているんです。
さくら:覚えておきます! Aさんは[左室前壁心筋梗塞]だから、左冠状動脈のどこかが狭窄しているのですよね?
フラピエ:そうですね。各選択肢は冠状動脈のどの部位を指しているか、わかりますか?
さくら:うーん、アは右冠状動脈で、イが左冠状動脈です!
あおい:このほかは、あいまいです! ( ;∀;)
フラピエ:潔い! ではここでしっかり覚えましょうね (^^) イの左冠状動脈から分岐している枝のうち、ウは回旋枝と言って左室の側壁や後壁を養っています。エは前下行枝(前室間枝)で、心室中隔や左室の前壁・後壁を養っています。
あおい:ということは、[左室前壁心筋梗塞]のAさんはエの前下行枝が狭窄しているんだ!
フラピエ:そのとおりですね。ちなみにアの右冠状動脈は、ぐるりと後壁のほうへ向かって後下行枝(後室間枝)となります。これも覚えておいてくださいね。
さくら:先生、これは病態の問題に見せかけて、実は解剖学の問題なのでは…?
フラピエ:あら、見抜きましたね! このように、状況設定問題でも解剖学の知識がないと解けない問題も出題されていること、頭に入れておいてくださいね。
さくら:わかりました!

心筋梗塞の病態・特徴を整理する

フラピエ:では状況文に戻って読み解きながら、病態をおさらいしていきましょう。Aさんは[突然、前胸部に締め付けられるような痛みが起こり、治まらないため、1時間後に救急車で来院した]とありますが、ここから心筋梗塞の特徴を読み取れますね。
あおい:たしか、心筋梗塞では前胸部を踏みつけられたような激しい痛みが突然起こって、しかもそれが目安として30分以上も持続するのでしたよね。
さくら:そうそう! 狭心症の場合はニトログリセリンの舌下投与が胸痛に有効だけど、心筋梗塞ではニトログリセリンは無効で、痛みが続くんですよね!
フラピエ:2人ともすばらしい! ざっくりとは、今2人が挙げてくれたように理解しておけば大丈夫です。そのうえで、ここから少し詳しく解説しますので、さらに理解を深めてくださいね。
さくらあおい:はい、詳しい解説をお願いします!
フラピエ:心筋梗塞と狭心症を合わせて、「虚血性心疾患」と呼びます。いくつか病気の種類があります(図)が、なかでも緊急性を伴うのが「急性冠症候群(acute coronary syndrome:ACS)」です。これは急性心筋梗塞と不安定狭心症とを合わせた概念で、一過性の心筋虚血である安定狭心症と区別して考えられています。
 

図 虚血性心疾患の分類

さくら:図中に「狭心症」という言葉がたくさん出てきていますね。
フラピエ:ちょっと複雑に思えるかな?
あおい:そうですね…。安定狭心症と急性冠症候群は、どう違うのですか?
フラピエ:さきほど説明したように、緊急性を伴うかどうかという点がありますね。安定狭心症には、冠状動脈が一時的に攣縮することで狭窄して(冠状動脈に器質的な狭窄は伴わない)胸痛などの症状が出る冠攣縮性狭心症と、運動など労作時に冠状動脈が狭窄して症状が出る(労作を止めて休むと軽減する)労作性狭心症があります。
あおい:そうか、どちらも症状が出るのは“一時的”なんですね。たしかにそれなら、Aさんの状況と比べると、そこまで緊急性が高いとはいえないように思えます。
フラピエ:そのように想像できますよね。これに対して急性冠症候群(ACS)は、「冠動脈粥腫(プラーク)の破綻とそれに伴う血栓形成により冠動脈内腔が急速に狭窄、閉塞し、心筋が虚血、壊死に陥る病態を示す症候群である」1)と定義されています。
さくら:うっ、難しい… (+_+) 冠状動脈が血栓で急に詰まっちゃう、ということですか?
フラピエ:そう、そのイメージです。ちょっと血管の中を想像しながら聞いてくださいね。
あおい:はい!
フラピエ動脈硬化が原因で、冠状動脈の壁にドロドロした粥腫が溜まっていきますが、最初の頃は血管内腔がどうにか保たれます。でも動脈硬化が進むと徐々に狭くなっていき、狭窄が高度になると、さきほどの労作性狭心症の状態となります。そしてさらに動脈硬化が悪化すると、粥腫が破綻(血管内膜が損傷)して血栓ができて急性冠症候群が引き起こされる、というわけです。
さくら:ドロドロが破綻して、血栓ができる…。血管が詰まって血液が流れなくなることは、なんとなく理解できました。動脈硬化って怖いですね…、改めて…。
フラピエ:ところで、この動脈硬化を招くリスク要因を「冠危険因子」と呼びます。具体的には、高血圧、糖尿病、喫煙、家族歴、高コレステロール血症が該当します2)
あおい:あ! Aさんは[5年前に職場の健康診断でコレステロール値が高いと指摘されていた]とあります! もともと高コレステロール血症があったんですね。
さくら:[血圧198/112mmHg]という値も気になります。Ⅲ度高血圧(収縮期血圧180mmHg以上 かつ/または 拡張期血圧110mmHg以上)に該当する数値ですよね? でも、激しい胸痛があって、呼吸数も心拍数も上がっているから、その影響で血圧も高くなっているのかな…?
フラピエ:2人ともすばらしい! 見落としませんでしたね。さくらさんが挙げてくれた血圧値は、たしかに激しい胸痛の影響で上昇している可能性もありますが、ここまで高い値なので、もともと高血圧があったと考えてもよいと思います。つまりAさんは、高コレステロール血症や高血圧のために動脈硬化が進み、血管が徐々に狭窄して急性心筋梗塞を発症した、と考えられそうですね。

Aさんの病状の緊急性を理解する

さくら:先生、[心電図でST上昇があり]は、どう考えればよいのですか?
フラピエ:ここも見逃し厳禁の重要ポイントです! 質問してくれてありがとう! この心電図波形は心筋梗塞の特徴です。ST上昇は、血栓によって冠状動脈が閉塞して血流が途絶し、心筋虚血が生じていることを示唆します。血流が途絶すると心筋が壊死しはじめ、数時間で急速に閉塞領域が拡大するといわれています。

厳密には、ST上昇はST上昇型心筋梗塞に特徴的な心電図波形で、貫壁性の心筋虚血を示唆する。非ST上昇型心筋梗塞との違いをおさえながら学べるとなおよいが、初学者向けには「心筋梗塞か狭心症か」をざっくりと区別できることを優先し、ST上昇は心筋梗塞の特徴であるとまずは理解してもらう。

さくら:心筋が壊死してしまうと、元に戻らないのでしたよね…? Aさん、早くなんとかしてあげないと…。
フラピエ:そう、緊急性が高いことがわかりますよね。加えて、Aさんは前下行枝に狭窄を起こしていますが、前下行枝が養っている左室は、酸素が豊富な動脈血を上行大動脈から全身に送り出す部位ですから、ここを養う血管が狭窄・閉塞するということが、いかに深刻な状況を招くかということが想像できると思います。
あおい:とにかく一刻も早く、血流を改善しないといけないのですね。
フラピエ:そうですね。だから問2では、入院したその日のうちに血流を再開させるためのステント留置術が行われていますね。

心臓リハビリテーションの目的や進め方を確認する

フラピエ:さて、問2の続きです。Aさんは[術後3日に足踏み試験]をしていますね。これは心臓リハビリテーション(以下、心リハ)の一環です。
さくら:心筋梗塞を起こしたばかりなのに、体を動かして大丈夫なのでしょうか…?
フラピエ:心配になりますよね。でもね、心リハは「心血管疾患患者の身体的・心理的・社会的・職業的状態を改善し、基礎にある動脈硬化や心不全の病態の進行を抑制または軽減し、再発・再入院・死亡を減少させ、快適で活動的な生活を実現することをめざして、個々の患者の『医学的評価・運動処方に基づく運動療法・冠危険因子是正・患者教育およびカウンセリング・最適薬物治療』を多職種チームが協調して実践する長期にわたる多面的・包括的プログラム」3)」と定義(日本心臓リハビリテーション学会)されていて、最近ではごくあたりまえに実施されるようになっています。
あおい:退院後に無理なく生活できるようになってもらうために、むしろ、治療後の患者さんにとって必要なものなんですね。
フラピエ:すばらしい! ではもう一度設問文をみていきましょう。[術後3日に足踏み試験を行った]とありますが、この足踏み試験は急性心筋梗塞の心リハにおける安静度拡大の目安4)に基づいて行われたものと考えられます。心リハのガイドラインによると、3日目の安静度は、“試験をクリアしたらトイレ歩行可”というふうに設定されています。
さくら:では、[脈拍数が120/分に上昇したため中止した]ということは、Aさんは試験をクリアできなかったということになるのですか?
フラピエ:そうなりますね。「急性心筋梗塞患者に対する心臓リハビリテーションのステージアップの判定基準」(表)が定められていますが、ここに「心拍数が120/分以上にならないこと」が挙げられています。

 
[日本循環器学会,日本心臓リハビリテーション学会,日本冠疾患学会ほか:2021年改訂版 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン,p.42,https://www.jacr.jp/cms/wp-content/uploads/2015/04/JCS2021_Makita2.pdf,アクセス日:2022年1月7日より引用]

あおい:ほんとだ。脈拍数120/分って、頻脈ですよね?
フラピエ:そうですね。足踏みの運動負荷に心臓が耐えられず、負担がかかっていることが想像できると思います。こういう状況で[トイレに行く]とAさんが言っていますね。さてどうしましょう?
さくら:中止したあとのAさんは[胸の痛みがない]と言っています。
あおい:[脈拍数は66/分]ともあります。自覚症状もないし、脈拍数も正常範囲内だから、トイレまで行ってもいいような気がするけれど…。
フラピエ:けれど…? どうですか? 3日目の安静度は、“試験をクリアしたらトイレ歩行可”でしたよね?
あおい:そっか、試験をクリアできなかったからトイレ歩行はまだNGでした! 危ない!
さくら:そうすると、選択肢3[病棟のトイレまで付き添います]も、選択肢4[気を付けてトイレまで行ってください]も、トイレまで歩行することになるからダメですね。
あおい:選択肢1の「導尿」はトイレ歩行にはならないけど、排泄が自立しているAさんには無用な感染のリスクを与えてしまうような気がします。
フラピエ:2人ともいいですよ! すると、病室内で自力で排泄ができる選択肢2の「ポータブルトイレ」が適切ということになりますね。心リハについて、ぜひ学習しておいてください!
さくらあおい:わかりました!

Aさんの“日常”を念頭に、生活指導のポイントを考える

フラピエ:いよいよラスト、問3です。Aさんが、退院後に適切な食生活を送れるようにするには、どんな指導が必要でしょう?
さくら:今回の発症前も残業が続いていたようだし、[仕事は不規則で、昼食と夕食はほとんど外食]となると、食生活のすべてを一気にがらりと変えるのは難しそうですよね。
あおい:[食事は行き付けの食堂で丼物や肉料理が多い]とおっしゃっているから、外食でもどんなメニューを選べばいいか、アドバイスができるといいのかな。
フラピエ:とてもいい視点ですね。この問題は、そんなふうにAさんのもともとの身体状況や生活習慣にフォーカスして考えていきます。
さくら:Aさんのもともとの身体状況…、今回、急性心筋梗塞を引き起こしてしまった要因ということですね! ええと、高血圧や高コレステロール血症がありました!
フラピエ:すばらしい! それを踏まえて選択肢をみていきましょう。主要な栄養素の摂取必要量の具体的な数値は『日本人の食事摂取基準(2020年版)』に則って覚えてほしいのだけど、覚えている?
あおい: (; ・`д・´)
フラピエ:私の予想的中のようね (;^_^) では結論から。正解は選択肢1[脂質は摂取エネルギーの20~30%にする]です。脂質は男女ともに全年齢(1歳以上)で総摂取エネルギーの20~30%が目標量とされています。
あおい:覚えておきます…!
さくら:せ、先生…おそれながら…、残りの選択肢すべて、まったく自信がありません (;∀;)
フラピエ:理解不足を認めることも勇気よ! では私にお任せを!
さくらあおい:お願いしますっ!
フラピエ:順不同ですが選択肢4[飽和脂肪酸の割合を増やす]からみていきましょう。高(LDL)コレステロール血症の患者さんでは、LDLコレステロール値を上昇させる飽和脂肪酸やコレステロールなどの摂取を減らし、飽和脂肪酸は不飽和脂肪酸に置き換えましょう5)、とされています。飽和脂肪酸は肉類や乳製品などに、不飽和脂肪酸は魚類やオリーブ油などに含まれると一般に言われています。
あおい:選択肢4は不正解ということですね!
フラピエ:そうです! なお、『日本人の食事摂取基準(2020年版)』では、30~49歳の男性における飽和脂肪酸の摂取目標量を総摂取エネルギーの7%以下としています。ではこの流れで選択肢2[肉類より卵からの蛋白摂取を増やす]にいきましょう。
さくら:はい!
フラピエ:選択肢4で説明した、「飽和脂肪酸やコレステロールなどの摂取を減らす」には、具体的には脂肪含有量の多い肉の脂身や動物性の脂肪(牛脂、ラード、バター)、乳類、臓物類、卵類を制限する5)とよいとされています。
さくら:つまり肉類も卵も摂取量を増やしてはいけないのですね。
フラピエ:そうです。蛋白質を摂取するなら、どちらかというと、動物性蛋白ではなく、大豆などの植物性蛋白を摂るほうが好ましいでしょう。
あおい:わかりました! 先生、残った選択肢3[塩分は1日12g以内にする]ですが、Aさんはもともと高血圧があったと推測されるから、塩分は控えたほうがいいと思います! 
フラピエ:そうですね。30~49歳の男性の塩分(食塩)の摂取目標量は1日あたり7.5g未満です。ただし高血圧の場合は重症化予防のため1日あたり6.0g未満となっています。
さくら:ではAさんは6.0g未満ですね!
フラピエ:ご名答!
あおい:しっかり数値を覚えていないと解けない問題も出題されるということですね…。栄養学も看護において大事な知識だと学びました!
フラピエ:よい気づきですね! ちなみに『日本人の食事摂取基準』は通常5年ごとに改訂されるので、その点にも注意してくださいね。

さくら:ふう、これで3問終了ですね。心筋梗塞について、様々な角度からの知識を学べた気がします。がんばってよかった(*´ω`*)
フラピエ:ふふふ、2人ともおつかれさまでした! 復習もお忘れなく(^_-)-☆
 

フラピエかおりの、国試指導ワンポイントアドバイス!

■今回はやや古い国試からですが、状況設定問題のなかで図を用いて解剖学の知識が問われた問題を取り上げました。こんな出題もあったのよ、という一例として、学生さんにご紹介いただければと思います。この問題と合わせて、必修問題や一般問題として出題された循環器系の構造を問う問題を確認しておくこともおすすめします。

■心リハのガイドラインは2021年版が最新ですが、2012年改訂版(2015年更新)において、それまで好ましくないとされていた「レジスタンストレーニング」の有用性が示されました。こうした動きを受けてか、第106回(2017年)では「レジスタンストレーニング」という言葉が登場しています(PM118)。このように、新しくガイドラインで示された知識が問われることもあると、ぜひ学生さんに教授していただきたいと思います。

引用文献
1)日本循環器学会,日本冠疾患学会,日本胸部外科学会ほか:急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版),p.11,https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2018_kimura.pdf,アクセス日: 2022年1月7日
2)前掲1),p.13 
3)日本循環器学会,日本心臓リハビリテーション学会,日本冠疾患学会ほか:2021年改訂版 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン,p.15,https://www.jacr.jp/cms/wp-content/uploads/2015/04/JCS2021_Makita2.pdf,アクセス日:2022年1月7日
4)前掲3),p.41 表27 
5)日本動脈硬化学会:動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版,p.71

フラピエ かおり

株式会社Nurse Style Biz 代表

看護師として13年間、臨床で経験を積む。その後、看護教育の道へ。全国の看護大学・看護専門学校において、国家試験対策講座や解剖生理学・形態機能学、病理学、各看護学の講義を担当。また総合病院看護部の教育顧問として、臨床看護師を対象とした看護研究やフィジカルアセスメント、臨床推論の指導にも携わっている。 教育のかたわら、国立大学大学院(臨床人間科学専攻)を修了。在学中には、海外における看護師制度や看護師国家試験制度についての研究に勤しんだ。 学ぶこと、知ること、わかるようになること、そのよろこびを多くの看護学生・看護師に伝えている。 著書に『看護学生のための重要疾患ドリル』(メヂカルフレンド社)、『看護学生のための重要症状ドリル』(メヂカルフレンド社)など。

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